その2ヶ月ほど前。

雑居ビルの立ち並ぶ一角にあるその店は、
真っ白に塗られたコンクリートの壁面と濃いウォールナットの床板が心地よいコントラストを生んで、
いかにもモダンな居心地の良い空間を作っていた。

二階はギャラリーになっていて一階は中国茶や日本茶を楽しめるカフェになっている。

仕事の参考書を片手にウロウロしていた俺はここでお茶でも飲みながらまったり勉強しようと考え、

硝子一枚で出来ているやや重い扉を押し開けた。

店内は二人しか座れない小さなテーブルが壁面に並び、
頭上は高く吹き抜けていて、大きな天窓からサンサンと注ぐ日差しが清々しい。