「ママぁ」
「なぁに?椿月」
「あのね、椿月、夜が怖くて眠れないの。」
「ふふふっ。大丈夫よ、椿月。あなたにはママもパパもみーんなついているわ。
だから怖くない。さぁ、目を閉じて。」
「うん。あのね、椿月ね、ママとパパ大好きなの!」
「ええ。ママもよ。」
「うん。おやすみなさいさい。」
この時は幸せだった。
幸せだった時の記憶が鮮やかによみがえる。
でも、幸せだった時間がよみがえるのであれば、悲しい記憶も、また、よみがえる。
「あなた!いい加減にしてよ!!!遊んでばっかりで!あたしは毎日毎日欠かさず家事して
椿月の面倒みてやってんのに、あなたは仕事で遅くなるとか言っといて遊びまくってんじゃないの!
!!」