びゅうびゅうと風が吹く、昔から幽霊が出るとうわさの、僕の母校である中学校の旧校舎の屋上に僕は立っていた。
「帰りたいなぁ……」
 五時くらいの春の初めは、もう紫色の、薄気味悪い空に覆われていて、どうも爽やかに自殺、なんて風ではなかった。