「はい。モチロン」


可愛くない返事だな……私。


先輩は「への字口」の端をきゅっと一度下げ、諦めを尽かすように肩の力を抜いた。

それから直ぐに立ち上がり、くるっと背中を向けて部屋を出ていった。



私が寝かされていたのはこの間と同じ資料室のソファだった。

自販機のある休憩スペースからここまで、先輩が連れてきてくれたんだろうか。


(お姫様抱っこで?)


微笑みながら涙が出るのは何故だろう。

私はどうしてこんなに胸が痛いの。


泣いてる理由が分からない。

ただ、もう無性に辛くて苦しい。



「青空先輩……」


何も願ってはいけない。

あの人は救世主じゃないんだからーーー。