先行したヒューと合流し、バニング達は走る。

「本当に見逃してよかったのか?」

ヒューが言う。

「私は約束は破らない。ロスタムは必ず殺す」

走りながら答えるニコライ。

「それもあるが…」

ヒューが懸念しているのは、このチェルノブイリにテロリストが喉から手が出るほど欲しがっているものが大量に残されている事だった。

「奴ら、残ってる燃料棒を持ち出すんじゃないか?世界中のテロリストに、核燃料が渡っちまう事になるぞ」

テロリストに核が渡る。

それは、第五次世界大戦の引き金にもなりかねない事態だった。