それから2時間ほどして。

「よぉバニング…代わるか?」

ヒューが操縦席に入ってきた。

「酒はちゃんと抜けたか?目は覚めてるんだろうな」

「ああ大丈夫…えっと…北極星はどっちだ?」

「おいおいしっかりしてくれよ。行き先はロシアだぞ、ブラジルじゃないからな」

「わかってる、わかってるって」

言い合いながら操縦席を代わるバニングとヒュー。

操縦を任せ、バニングはカーゴの方へと入っていく。

…カーゴでは、ハルが体を起こしていた。

「もうお目覚めか?」

「…よく眠れなくて」

額に手を当てるハル。

「何だ、今更任務に緊張するでもないだろう?」

バニングが腰を下ろす。