咄嗟のスタングレネードが功を奏した。

Disposableの面々は、再び別の建物に身を隠す。

「…駄目だな」

物陰に潜みながら様子を窺っていたヒューが呟いた。

ロスタム一味の兵士達が、周囲を探し回っている。

結構な人数がいるようだ。

チェチェン独立派と関係を有しているロスタムは、相当数の兵員を確保していた。

「包囲を突破しても、十重二十重に次の包囲網を敷いてやがる。これじゃあ完全に逃げ切るのは難しいぜ」

「……」

バニングは無言のまま、考えを巡らせる。