「くそっ!」

ようやく視力が回復してきた。

バニングのスタングレネードによる不意打ちに、ロスタムは怒りを露わにする。

小賢しい真似をしてくれる。

こう二度も三度も嘗められると、どうにも殺してやらなければ気が済まない。

名前が売れているだけあって、なかなかの切れ者のようだな、あの連中。

射撃の腕もいいし、CQC(近接戦闘)もかなりのものだった。

部下の兵士を投げた、バニング曰くの新人を思い出すロスタム。

しかし…。

あの体格、あの払い腰のキレ。

バラクラバで顔を隠してはいたが、ロスタムはあの新人をどこかで見たように覚えがあった。

テロリストである自分を見下すような、バラクラバから覗くあの氷のような蒼い瞳…。