グレネードをロスタム達の方に投擲したバニング。

同時に、グレネードは約100万カンデラ以上の閃光と、1.5メートル以内に180デシベルの爆音を発する!

M84スタングレネード。

この手榴弾は、爆発時の爆音と閃光により、付近の人間に一時的な失明、眩暈、難聴、耳鳴りなどの症状と、それらに伴うパニックや見当識失調を発生させて無力化することを狙って設計されている。

無論投擲したバニング達にも、その効果はある。

兵士としての訓練を受けているバニングやヒュー、ニコライらは、投擲と同時に反射的に閃光から目を逸らしたが、ハルはまだ傭兵になって日が浅い。

「目がいったぁあぁあぁあいっ!」

涙をボロボロ流しながら叫ぶハル。

「死ぬよりはマシだろう」

バニングは彼女の肩を抱いて、この隙にロスタム達の包囲を突破した。