高い場所に昇れば、プリピャチ全体が見渡せるだろうか。

バニング達は近くにあるホテルの廃墟、その最上階へと足を運んだ。

建設途中だったのか、それとも長い年月による風化なのか。

ホテルはガラスが割れ、破片が内部に散乱し、鉄筋が剥き出しになっている箇所もある。

そんな中を昇っていくバニング達。

最上階に上がり、彼らは周囲を見渡す。

…全体に亘って灰色という印象を受けるプリピャチの町。

冷たい風が吹き抜ける。

動いているのは、道中にも見かけた野犬のみ。

そんな中。

「ありゃ何だ?」

ヒューが呟いた。