町には、今も当時の建物が廃墟として残されている。

原子力発電所の関係者達が住んでいたアパート、その家族達が休日には訪れていたのであろうプールや観覧車。

野生化した犬達が、バニング達の姿を見つけては唸り声を上げる。

「下手に刺激しなければ、襲ってくる事はない。放っておけ」

バニングが言った。

考えてみれば、あの野犬達も事故の犠牲者だ。

無闇に殺す必要もないだろう。

「感慨に浸っている時じゃない」

バニングが進む。

「テロリスト達を探そう」