その、赤い森。

「以前からこの森には噂があった。ロシア国内外からの不法滞在者や難民、テロリスト達が危険を厭わず潜伏し、住み着いているとな」

「放射能漏れのあった土地にっ?」

ニコライの言葉に驚くハル。

普通に考えれば、危険極まりない行為だ。

だが。

「こう考えてはどうだ」

バニングが言う。

「ここには核兵器の原材料が、今も手付かずで残されている。誰にも処理できないままでな」