「待って。そんな警備で、テロリスト達はどうやってウクライナに入るっていうの?別の場所に逃げたんじゃない?」

ハルが言うが。

「言っただろう」

バニングはハンドルを切る。

「テロリスト達も正規軍と真っ向から対立するほど馬鹿じゃない」

Disposableの乗る四駆はウクライナの国境沿いに大きく迂回し、北上。

ロシアから始まって、ベラルーシを経てウクライナに流れ黒海に注ぐドニエプル川の上流へと向かった。

「成程な、川から入るのか」

「ああ。俺がテロリストならそうする」

車を降り、河岸へと向かっていくバニング。

「一国の主として参考になるよ」

ニコライが呆れたように言った。