「ロシアが介入するから余計に混乱したんじゃないのか?」

ヒューの言葉に。

「91年のソ連崩壊に伴い独立したとはいえ、ウクライナは嘗てのソビエト連邦内の構成国だ。その国に混乱が生じている。捨て置く訳にはいかない」

ニコライは反論した。

ウクライナの国民感情もあるし、世論からの反発もあるだろうが、それはニコライの祖国を想う『感情』からの行動であった。

が、そんな感情を他所にウクライナの混乱は今も収まらない。

国境付近にはウクライナ陸軍のT-64BMブラート戦車やBMP-2歩兵戦闘車まで配備され、外部からの侵入を防いでいる物々しさだ。