1時間前、ロシアで爆破テロが発生。

ターゲットは現職のロシア連邦大統領ニコライ・ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ。

彼が執務を終えて帰宅途中、テロリストと内通していたSPの人間爆弾によって大統領宅が爆破された。

その混乱に乗じてテロリスト一味が大統領の乗る専用車を襲撃。

SPを全員射殺し、大統領を誘拐した模様。

タスクフォース(特別任務部隊)ロシア支部が現在捜索中…。

「というデュラハン社からの情報だ」

「流石、正規軍にコネがあるPMSCs(民間軍事警備会社)は情報が早い。ウチとは大違いだ」

バニングの言葉に、ヒューが言う。

「…だが」

ヒューを横目で睨みながら、バニングは続けた。

「タスクフォースロシア支部は、先の大戦でまだ軍備が整っていない。テロリスト一味の鮮やかな手際から察するに、この仕事はロシア支部じゃ荷が重い」

「そこで私達『Disposable』の出番って訳ね」

ハルの言葉に。

「そうだ」

バニングは頷いた。