「どうするんだバニング」

ヒューが小声でバニングに訊ねる。

「一国のトップを連れてテロリストを追跡するのか?そもそも大統領の救出が俺達の任務だろ?テロリスト掃討はタスクフォースにでも任せておけばいいじゃねぇか」

「…ならば私が君達を雇おう。傭兵なのだろう?報酬は十二分に支払う」

ヒューの小声を聞きとって答えるニコライ。

耳もいいようだ。

「金銭の問題じゃないわ。貴方を連れて戦闘に出て、貴方に万が一の事があったら…」

ハルもどうにかして説得しようとするが。

「そうか。だったら私だけで行こう。それならば君達に何の迷惑もかけない。一国の大統領がノコノコ戦場に出て行き、勝手に危険な目に遭うだけの話だ」