「お言葉ですが大統領」

バニングが歩み寄ってくる。

「貴方は一国の長だ。そんな貴方が何をするつもりですか」

「愚問だな。妻と娘2人がテロリストに殺された。君なら何をするかね?」

M4カービンに5.56ミリ弾のマガジンを装填するニコライ。

その扱いは手慣れている。

大統領とは思えないほどに。

「貴方は俺達傭兵とは違う」

「出来ないと思っているかね?常に守られるだけの立場だった『大統領如き』には」

銃を肩に担ぎ、ニコライはバニングを見た。

「私が政治家になる前、GRU(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)のスペツナズだった事は知らないか?」