中は真っ暗闇。

テロリストどころか、人1人さえいる気配はなかった。

…いや。

「待てバニング」

ヒューがMP5A4の銃身下部に備え付けられたフラッシュライトで内部を照らす。

頭に麻の袋を被せられて、両手を後ろ手に拘束され、床に寝かされた男の姿。

まさか。

バニングが駆け寄り、男の拘束された両手をアーミーナイフで自由にする。

途端に!

「!!!?」

男は背後のバニングの首を摑み、首投げで床に叩き付けた!

咄嗟に援護しようと銃を構えるヒュー。

「待て!ヒュー撃つな!」

投げられながらも、バニングが発砲を制する。

そして。

「ニコライ・ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ大統領ですね?」

バニングは倒れたまま、頭に袋を被った男に問い掛けた。

「アメリカの傭兵チーム『Disposable』です…大統領を救出に来ました」