夜が明けようとしていた。

プリピャチ市周辺には、あちこちにハインドの撃ち込んだ対戦車ロケットや機関砲の煙が立ち昇っている。

『敵部隊の掃討完了だ。そっちの塩梅はどうだ?』

「ああ、こっちも片付いた」

ゴーストからの無線にバニングが答える。

『なら契約は完了だな。金はいつもの口座に振り込んでくれ』

仕事が終わると、ゴーストの駆るハインドは早々に飛び去っていく。

着陸して会話を交わす事もない。

不必要な感情など差し挟まない。

まさしくPMSCsのコントラクターとはかくあるべき、といった去り際だった。