しかし。

「覚悟?覚悟を決める?」

追い詰められておきながら、ロスタムは一向に焦りの色を見せなかった。

「覚悟を決めるのはお前達の方じゃないか?ええ?ニコライ大統領」

「どういう事だ」

ニコライがロスタムを睨む。

「それは説明しなくても分かるんじゃないのか?」

振り向くロスタム。

その方角は、チェルノブイリ原発がある方向だ。

「そろそろイグラを持った俺の部下が配置に着く頃だ」

「何だと…?」

ニコライが声を上げる。