苦しい…!

まずい、死ぬ…!

意識が飛びそうになる。

そう考えていたバニングを見透かすように、兵士が鋼線を緩めた。

不意に呼吸が許され、バニングは遮二無二酸素を取り込む。

だがそれも僅か1秒か2秒。

すぐに首は絞め上げられ、バニングは窒息地獄に引き戻される。

同時に叩き込まれる、ロスタムのボディブロー。

悶絶するバニング。

如何に鍛え上げられたバニングの腹筋でも、長くはもたない。

「楽しませてくれる!コイツならウォーターボーディング(頭に袋を被せ、頭を下に向けた逆立ちの状態で顔の上、或いは袋に穴を開けて口や鼻の穴に水を直接注ぎ込む事で急速に窒息を生じさせる拷問)でも頑張ってくれそうだ!」