「イグラって、ロシアの携帯式防空ミサイルシステムかよ」

そばで聞いていたヒューが声を上げる。

「やってくれたな。これは重大なペナルティだ」

ニコライも呟く。

『まことに耳が痛い』

受け答えするガイスト。

『その卸売業者はこっちで処分を決定するとして、売ってしまったものは仕方がない。イグラを購入した目的は、お前らにも見当がつくだろう?』

「ああ、テロリストの考えそうな事なんて片手の指で事足りる」

バニングは頷く。