デュラハン社のアジトである、イギリス・マンセル要塞。

「……」

無線機の前に座っていたコートニーが、怪訝な顔をした。

怪訝な顔といっても、ゴーストやガイストのような、常にコートニーの傍らにいるような人間でなければ分からないほどの、極々僅かな表情の変化だったが。

「どうしたコートニー」

ガイストが問い掛ける。

「…さっき、デュラハンの末端の武器卸売業者から、イグラ売却の連絡が入ったの…」

「ロシア製の携帯式防空ミサイルシステムか。で?」

「何だか臭うの…」

コートニーは振り向き、ガイストの顔を見た。