恋愛に不慣れな私は、こうして自分を気遣ってくれる男に、ときめいてしまうもんなんです。

 そこから女になる。

 さっきまで意識してなかったのに、急に電波が良くなった携帯のように、スイスイと動いてしまう心。


 嬉しさが素直に顔に出て、ほころびます。

 私を含めて5人の女。
そして目の前には5人の男。

 普通に考えたら、あぶれる者が出ない人数設定。

 優奈狙いが多い中、厳しい状況なのは予想がつく。

 それでも、人生にはここぞという時に、サプライズ的な幸運の女神が舞い降りる瞬間がある。

 こんな鈍臭い私でも、そんなチャンスを賭けてもいいじゃないか?
と、自分を奮い立たせてみたくなった。

 普段の私なら、今日を無難に過ごせればいいやと、欲を持たないでやってきた。

 それを寂しいと思いながらも、諦めてしまった方が、無駄に期待しない分、楽だった。


 少しくらいは‥‥‥
今日くらいはいいじゃない?
と思ってしまったのが始まりだった。