今朝の目覚めは良かった。

 朝シャンも浴びて、サッパリした気持ちになる。

 シャワーを浴びてから台所を覗いた。

 お母さんが朝ごはんの支度をしている。

 「あら、華、早いわね。
休みの日は、いつもならゆっくりなのに」

 声を掛けられた。

 「たまにはね」

 「いいことあった?」



 女の勘は鋭い。

 この家には、お父さんとお母さん、4つ年上で、もうすぐお嫁に行く姉と私の4人家族。

 姉は週末になると、婚約者の家にお泊りしながら、結婚式の準備を着々と進めていた。

 私の両親は、子供にあんまり干渉はしない。

 娘はいずれ嫁に行ってしまうから、老後は2人で楽しみたい両親。

 いつまでもラブラブで、私から見たら理想の夫婦が父と母。


 「ないさー」
そう言いながら、私が笑うと…

 「あら、そう…」
残念そうに言う母。


 休みの日の父は、朝ゆっくりめに起きる。
起きてから、お母さんの作る朝食を食べる。
母はそんな父を眺めながら、一緒に朝食を取る。
特別な会話がなくても、2人の間に優しい空気が流れていた。


 こんな両親の元に、私は生まれた。
だから、恋愛とルックスに苦労しても、文句なんて言えない。

 むしろ、こんな両親に育てられた、自分は幸せなんだと思う。

 だからかな?
早く安心させたかった。


 私が結婚出来たら、安心するよね……?