「アキの話は退屈しないよ!

 私の中でも、保険のイメージが変わってきてるもん。

 それに、アキの仕事熱心なとこ尊敬する。

 同じ歳なのに凄いって思うよ!

 ただ毎日同じ事の繰り返しで、仕事に情熱を注げてない私には刺激になる」


 「そうか?
つまらない男じゃね?
会う度、仕事の話じゃ?」

 「アキが話したい事を聞いていたいよ」

 「有り難う。

 華だからかな?
こんな話出来るの。

だから、そう言われたら甘えたくなる。

 こういう話、ウザがられるの分かってるから、あんまりダチとかにはしないんだ。

 そうやって保険勧めたいんだろ?って裏目に取られたりもするからさ…」

 「あっまぁ‥‥‥そうだよね。
私も最初はそうだったし」

 「だよね。

 営業って悪いイメージかもしれないけど、
必要な情報や得する情報を伝える役割もあるんだぜ!

 要は聞く耳持って貰って、必要だと思うなら取り入れたらいいし、必要じゃないなら断ればいい。

 そう思ってくれる人が増えたら楽だよな…」

 「そうだね。
アキの話は凄く勉強になるよ!」

 「そっか?
なら良かった。

 なぁ、刺身食わない?
あと、焼き鳥と蛸ワサもね。
腹減った!」

 「うん」

 「今日、親父の命日だった」

 「えっ!」

 「仕事行く前に、墓参りしてきたよ」

 「そうだったの‥‥」

 「無事、仕事も終わったし、親父の好物食べながら、誰かと飲みたかった。
 華で良かったよ」





 あのさ、
アキ‥‥‥

 そんな事いうと、誤解しちゃうからね‥‥‥





 「私でいいなら、付き合いますよ。
お父さんも、アキを見守ってるよ!」

 「かな?」



 アキは切なそうに笑い、お父さんの好物を注文していた。