「香澄と付き合う男性は、幸せだね。
凄く、理解のある彼女でさ」

 「そうかな?
それなら、私は最高の理解者になるのかな?
ただ単に、表の顔がどMで、裏の顔はSなだけかもよ?

 私は自分がブスって事に自覚あんのよ!

 そんな私が勝負するのは、性格しかないでしょ?

 居心地のいい女になるって事に徹底してるだけかもしれないよ?」

 香澄は笑いながら言うけど‥‥‥

 「香澄はブスなんかじゃないよ!!」


 「有り難う、華。

 でも、後ろ姿美人とか平安京ってアダ名が、
私を物語っているじゃない?

 言われる度に傷ついたけど、ある日を境に開き直ったんだよね。

 『後ろ姿でも美人は美人』
 『最も古風で趣のある時代は平安時代』
日本人の代表みたいな私の何が悪いってね!

 明るく開き直れば、人はそこを認めようとするのよ。

 気にしていじけたら、益々そこを攻めてくるんだよ。

 私は自分が好きよ。

 自分を認めてあげなきゃ、自分自身が行き場を失くしてしまうわ。

 ちゃんと自分の居場所を作る。

 複雑な人間関係を、敢えて楽しんでしまえば、向かうとこ敵なしよ!

 例えばさ、自分の目の前に嫌な人が居たとするじゃん?

 その人を克服するまで、逃げても逃げても、また、同じような人がまた目の前に現れるんだってさ……

 あぁ……そういえば、私が気にしていじけている間は、そんな人ばかりが私の目の前にあらわれて、逃げても逃げても逃れられなかったよ。

 でもね、克服した後は自然と居なくなった。

 ーー不思議よねーー

自分に必要のない人って、出会う事もないんだってさ……」