「香澄の好きな人ってどんな人?」

 「例えるなら、俺様昆布男」

 「なにそれ?」

 「うんうんって、こっちが大人になって聞いてあげると、ご機嫌な感じ。

 基本、私が思う、俺様男って、自分が支配しているようで、甘えてるのよね……

 ある意味、相手に依存してるのよ。

 俺を認めてって気持ちが、ストレート過ぎるんだよね。

 で、認めてあげる事で安心するの。

 掌で転がしているようで、実は転がされたりしてね……

 おでんで言ったら昆布ね。

 こっちが温めてあげたら、いいダシが出しますよーみたいな?」


 「私には無理だわ……
そういう風に考えたり、付き合ってゆくの」


 「付き合ってゆくうちに、お互いに居心地いいスタイルになってゆくでしょ?

 いつまでも素になれない関係ってさ、うまくいかないわよ!

 要は、素の部分を許せるか、許せないか、なんじゃないの?」