暑いな。暑い。今日は本当に暑い。
体も心も干からびてしまうような8月の中旬に僕は人生初めてのバイトの面接に行くために家を出た。
そのバイト先は古いカフェで時給は900円と高くはなかったけれど家から近いことと初心者歓迎の言葉につられて電話をかけた。まぁ、特に遊びに行く友達もいないから別に安くてもいいんだけど。
バイト先に着くと人の良さそうな30歳くらいの女が面接をしてくれた。
「こんにちは。採用!」
と突然その人が言った。
「おっと、こんな滑り方をするとは…」
反応できずに黙っているとその人は大袈裟に肩を落とした。
「いや、すいません。驚いてしまって」
慌ててフォローしようと思って僕は言葉続けた。
「はじめまして。僕は村田 ユウと言います。
大学一年生です。家が近いという理由で応募させていただきました。」
「オッケー、ユウくんねよろしく。私はマリ。まぁ好きなようによんでくれたまえ。」
それではとマリさんが立ち上がった。
「じゃあ説明するからついてきて。」
「え、本当に採用なんですか?」
「そういったでしょ!早くおいで!」
その日は面接というよりもシフトやどのようなバイトなのかという説明で終わった。
「じゃあ、来週からよろしくね〜。」
「はぁ、よろしくお願いします。」
帰るか。僕はカフェをあとにした。
やっぱり暑いな。暑すぎる。
暑さにうなだれながらダラダラと家までの道を歩いていると、小さな公園をみつけた。
「こんなところに公園なんてあったっけ?」
独り言をつぶやいたあと普段なら絶対に立寄ろうなんて思わないけれど今日はなぜか立ち寄ってみたくなった。
その公園は遊ぶには小さすぎるし、1人で過ごすには大きすぎる公園だった。
少し歩くと地面が盛り上がった丘のような場所があった。なんとなく下から眺めていると人の声がきこえた。自然と耳に馴染むような優しい声。よく聞いてみると歌を歌っているようだった。
歌の名前は知らなかったけれどきっと素敵な曲名なんだろうな。僕があたりを見渡してみると丘の上に1人の女の子がいるのが見えた。
僕は気づかれないようにそっと君のそばに近づいて何の歌かもわからないその歌をずっとずっと聞き続けた。
体も心も干からびてしまうような8月の中旬に僕は人生初めてのバイトの面接に行くために家を出た。
そのバイト先は古いカフェで時給は900円と高くはなかったけれど家から近いことと初心者歓迎の言葉につられて電話をかけた。まぁ、特に遊びに行く友達もいないから別に安くてもいいんだけど。
バイト先に着くと人の良さそうな30歳くらいの女が面接をしてくれた。
「こんにちは。採用!」
と突然その人が言った。
「おっと、こんな滑り方をするとは…」
反応できずに黙っているとその人は大袈裟に肩を落とした。
「いや、すいません。驚いてしまって」
慌ててフォローしようと思って僕は言葉続けた。
「はじめまして。僕は村田 ユウと言います。
大学一年生です。家が近いという理由で応募させていただきました。」
「オッケー、ユウくんねよろしく。私はマリ。まぁ好きなようによんでくれたまえ。」
それではとマリさんが立ち上がった。
「じゃあ説明するからついてきて。」
「え、本当に採用なんですか?」
「そういったでしょ!早くおいで!」
その日は面接というよりもシフトやどのようなバイトなのかという説明で終わった。
「じゃあ、来週からよろしくね〜。」
「はぁ、よろしくお願いします。」
帰るか。僕はカフェをあとにした。
やっぱり暑いな。暑すぎる。
暑さにうなだれながらダラダラと家までの道を歩いていると、小さな公園をみつけた。
「こんなところに公園なんてあったっけ?」
独り言をつぶやいたあと普段なら絶対に立寄ろうなんて思わないけれど今日はなぜか立ち寄ってみたくなった。
その公園は遊ぶには小さすぎるし、1人で過ごすには大きすぎる公園だった。
少し歩くと地面が盛り上がった丘のような場所があった。なんとなく下から眺めていると人の声がきこえた。自然と耳に馴染むような優しい声。よく聞いてみると歌を歌っているようだった。
歌の名前は知らなかったけれどきっと素敵な曲名なんだろうな。僕があたりを見渡してみると丘の上に1人の女の子がいるのが見えた。
僕は気づかれないようにそっと君のそばに近づいて何の歌かもわからないその歌をずっとずっと聞き続けた。