雨が降り注ぐ中、
金属音が
鳴り響いていた――――――――。
跳ね返った剣がくるくると回り、
相手の男の後ろへ突き刺さる。
無表情の白銀の男は、剣を鞘におさめ、
今勝負に勝った相手を見据えていた。
「陛下には敵わねぇなぁ。」
ボリボリと頭を掻いたのは
髪も瞳も茶色い男だ。
「暇潰しにもならぬわ。」
白銀の長髪をヴォルドは
鬱陶しそうに掻き上げると
低く静かに言葉を落とす。
「俺もまだまだって事か?
一応隊長なんだぜ?」
「ゲイル様がお弱いのではなく、
陛下が強すぎるのですよ。」
勝負の決着を見届けたのは、
黒い髪、黒い瞳のリバイだ。
ヴォルドの側近の彼は呆れたように
勝負に負けたゲイルを見つめた。
数分前、雨は降っていなかったのにも
関わらず……
…試合中に突如降り出した雨。
ついてねぇなー。と、ゲイルはボヤくが
雨が降る、降らない関わらず
勝負は決まっていただろうとリバイは
溜め息をついた。
「陛下、風邪でも引かれては
職務に関わります。
このまま湯殿へ………」
そうリバイが促した刹那、
バリバリと音が鳴り響いたのち、
辺りが光に包まれた。