「紗夜ちゃん、先にいいよ。」


「え、あ、ありがとう。」


どんな人の近くになるんだろうと思いながら、ガサガサとくじ引きの箱の中に手を入れる。


その瞬間、上条くんの顔が浮かんだ。


もし近くになれたら、この前みたいに少しでも話せたりするのかな?


そしたら詩帆ちゃんとみたいに、上条くんとも友達になれるかな。


そんな淡い期待を心に秘めながら、1枚の紙を取り出す。


今までなら席替えなんてどうでもよかったけど、今回は少しだけソワソワした。