『菜乃花が緊急搬送された…!』


そう菜乃花の母親から電話が来たのは、

つい数時間前だ。


「あのバカ。なにやってるんだよ…」


山萩菜乃花は、高校時代からの

仲の良い友達という感じだった。

それは、高校を卒業して

二年経った今でも変わらなかった。

菜乃花とは、同じ大学に入り、

その仲は良好だった。

大学から同じになった

本崎周ともすぐに仲良くなり、

三人は行動を共にするようになった。


『もしもし?病院から連絡あった?』

「あった、今向かってる」

『じゃあ、病院で会おう』

「おう」


そういって、電話は切れた。

俺は、車のアクセルを踏んだ。