それからというもの。 私はなにも思い出せないでいた。 どのくらい月日が経ったのだろう。 あれから、周も智也も記憶のことは 言ってこなくなった。 だけど、わかったことがある。 生きているときに、 智也になにかを 伝えようとしていたこと。 だからわ智也のことを 覚えていたのだと。 しかし、何を伝えようとしていたのかは 思い出すことはできない。