事務的に淡々と話す環に、これは【ビジネス】だと見せつけられているようで。
情けではなく、損得で動くものであると。
「安心して下さい。カイリさんにそんな真似はさせません」
「…え?」
「カイリさんの目の前にあるその金は組から出てる、謂わば投資金であり、貴女がそれに ”ほんの気持ち” を上乗せして返さなければならないものです」
「……」
「ですが今お話ししてるこの【ビジネス】は、金がどうこうとかではない、」
「……」
「僕らは "アマジキ カイリ" と言う人間に投資をする」
「…何を、」
「この金は総てクロサキが立て替えます」
「言って、」
「なので貴女は、ーーーーーーーークロサキの "駒" になっていただきたい」
これは、ビジネスであるのか。
「ご理解いただけたら早速、その金を持って行きましょう。貴女をこんな目に合わせた奴の事も清算を済ましてください」
それとも、全く違うナニカの野望への投資なのか。
この条件を飲まなかったら葉月も私もお先真っ暗で、今よりもっと酷い目に遭うのは目に見えてる。
私がこの条件を飲んで "駒" になるんだとしたら、葉月は助かる。
たとえそこに、私がいなくても。