手の中にある麦茶から水滴が落ちる。

怒田はぼんやりと遠くの家族連れを見ている。


「女って質問する前から自分の意見決めてて、それに従う人間探してんだろ? そういうの聞くと、女友達って偶に歪だなと思う」


歪だと言われて嫌な感じはしない。

歪な部分を持たない人間の方がおかしい。例えば、あたしが、普通の恋愛を追っているように。


「それより、彼氏に怒らない方が可笑しい。本当に好きなのか?」

「好き……なのかな」

「知らん」

「怒田の意見は聞いてない」

「もう帰って良い?」

「だめ」


今一人になったら絶対ネガティブに持ってかれる。