「あ〜。また椅子で寝ちゃった。」

ガタタ──椅子から立ち上がり

寝室へ向かおうとする

すると、目の前に5歳くらいの男の子が

生意気な顔で仁王立ちしていた。

郁実は寝ぼけていたのか

特に関心もなく素通りしようとすると

「おい!なに素通りしようとしてんだ!」


幼い声が鋭く響いた。

郁実は目を丸くした。

「歳上には敬語を使えと教わらなかった

のか?」

「おいまだ幼稚園児だぞ!ならってないぞ!しかも驚くところはそこじゃない!」

なんか偉そうなガキだな…