「いやいやいやいや。俺全然その実乃梨っ

て奴のこと知らないし。大体なんでお前

いきなり好きとか言ってんの?」

感じたことない気持ちに無理矢理蓋をしよ

うとするように動揺が隠しきれない。


「オレは郁実から実乃梨ちゃんの名前聞か

れたときどんな子なん?って思てな。

観察してたん。そしたらな行動が

可愛いんや

まず歩き方がぴょこひょこっとしてて

目の前にモヒカンの厳つい3年がいてぶつか

りそうな時くるんって避けてな──」

「ちょっと待て待て。うちの学校に

モヒカン頭の3年生なんて居たか?」

「いたいたでなでな。」

さも当たり前の様に語っているけど

その目はキラキラ輝く乙女のものだった。