晴弥は、頭を搔いて視線を天井の

小さなシミへ向けた。

「オレ実乃梨ちゃんの事好きかもしれん...」

「はぁ!?だってお前俺がアイツの名前聞

いた時知らないって言ってただろ?!」

思わず立っていた。無意識だった。

周りの目も気にしなかった。いや気にでき

なかった。何故かムカムカしたものが

心の奥から這い出てきた。

「何立っとん?」

晴弥の声でハッとした。

「ははーん。分かった!郁実も実乃梨ちゃん好きなんやろ!?」