「それはずばり恋だよ」
凛(リン)があたしを見つめて笑顔で言う。
「恋−・・?このドキドキが?」
あたしは自分の左胸に手を当ててみた。
成瀬先生のことを考えただけで
あたしの心臓は速く動く。
この胸の動きが恋なのかな・・?
「てか、今日転校生来るって〜」
凛がそう言って笑顔になる。
多分、この表情を見ると転校生は男だ。
「ふ〜ん・・」
今は別にどうでもいいや。
あたしの頭は先生のことでいっぱいだし。
すらっと高い身長。
薄茶でさらさらの髪。
優しくて綺麗な瞳。
整った顔立ち。
そんな顔を崩して作る笑顔。
先生のことを思い出すたびに
胸がまたドクドクと速く脈を打つ。
やっぱりあたし、恋したみたい。