ある日、学校の帰り道


帰り道、と言っても学校を出てすぐの所に



歩道の幅の半分を占領する少し、いや、かなり迷惑な屋台が出来ていた



ここの歩道は幅約1.5メートル


その半分ともなれば、通れる幅は約75センチメートル


一人ならばなんとか通る事は可能だが、二人が並んで歩く事はほぼ不可能となってしまった



それも図体のデカい人は、一人でもギリギリだし、しかも高校の前だから通る人は殆どが高校生


二人で並んで歩く事は「ほぼ不可能」ではなく、「一部を除いて完全に不可能」だ



現在では、殆どの学生が並んで歩くのが常識になりつつあるというのに、こんな所に屋台を建てるなんて


まったく、通る側の身にもなってほしいというものだ



そう思ったのは私だけではないらしく


「何あれほんっと迷惑

ねぇ、紗音(シャノン)?」


と問いかけてきた横に立つ友だち・棗(ナツメ)に


「うん、だよね」


と私も言葉を返した