「じゅうよん」


「何年生?」


「…中2」


ハナが困った顔をした。


「中2なんて上京できる歳じゃないわよ。ユウちゃんの家はどこ?」


僕は雪で湿った髪の毛を顔の前に持ってきた。

ハナのおかげでほとんど乾いてる。


「家なんてない」


「………」


ぽたっぽた

静かにコーヒーの淹れ残りの音が聞こえる。

一気に口の中が苦くなった。