「だから、周りの人の目もあったし、弟だって言って連れて帰ったの」
僕は自分を落ち着かせるためにココアを飲んだ。
胸に温かい空気が入る。
「で、なんだかユウちゃんを見てるうちに、春人と重ねちゃってー」
「…苦しそうなユウちゃんをほっとけなくて、つい踏み込みすぎちゃったの…ごめんね」
泣きそうな顔をするー
僕は自然に彼女の頬に触れていた。
柔らかくて、温かい。
「笑えない」
「…え?」
「僕が謝らなきゃ。ごめんなさい。そこまで思ってくれたのに、あんなことしてー」
ハナは何も言わず頭をふった。
微笑みながら。