それから1ヶ月が経った。

相変わらずお金はギリギリだし、あの女から貰った服も着たくはない。

くだらないプライドだ。

おかげで寒くてまた倒れそうだ。


久しぶりにあの歩道橋を通る。


僕が倒れて、東京に来て初めて仕事以外の女の人と喋った。

でも、女なんかみんな同じだ。

もう彼女も僕のことは嫌な思い出で処理しているだろう。




ー僕は目を疑った。



長い髪の毛が風に揺れている。

長いまつげと、すっきりした横顔。




「…ハナ?」