「ユウちゃ…」


僕は膝にかけてある毛布を剥いで服を整えた。


「ありがとう、ほんとに感謝してる。でも僕もう行かなきゃ。キミに迷惑かけちゃうし」


ソファから立ち上がり、荷物を探そうとした。

でも、ハナの手が僕の腕を掴んでいた。


「どこい行くってゆうの⁈今度こそホントに死んじゃうわよ!」


泣きそうな目で訴えかけてくる。

ハナの手をふりほどこうともがいても、弱った体はこれ以上動かなかった。



「ユウちゃんはまだ14歳だから世の中のことよく知らないのよ!このまま1人でなんて生きてけないわ!…どんな理由があろうと、家族の元へ帰るべきよ!」


その言葉を聞いた途端、身体が熱くなるのを感じた。

ばっとハナの手を振り払い、荷物を探した。