【旭日side】

「旭日?なにしてー…」

このの具合が悪くなり、おんぶして学校を目指していると、校門の前で声をかけられた。

「凜央…ちょうど良かった。この、保健室まで連れてって?」

凜央は保健委員長だし、その方が安心できる。

変な人にこのを頼むのも嫌だし。

「オッケ…。恋乃美?大丈夫?」

「凜央、荷物はあとで持ってくね」

「ありがと…。じゃ、行ってくるな」

そうして恋乃美を背負った凜央は保健室に消えていった。

残された俺たちは、そのまま教室に向かう。



「…旭日…。恋乃美これで何回目だっけ…?」

「ーー……わからない」

「…っ、そうだよね…」

恋乃美がさっきみたいに、突然具合を悪くするのは今日だけじゃなかった。

高校生になってからの頃なんて、ほとんど毎日。

そのたびに俺がおんぶして、凜央にみてもらって…。

「ーやっぱり、中学校での…」

「旭日っ!!!」



いつもからは想像できないような、悲鳴にも似た大きな声をはるちゃんが出した。



…はるちゃんが大声を出すのも分かる。

これはこの自身のことだし、無理に追求するのはダメだってことくらい…。

…待ってあげなきゃいけないことも。



「だけど……はるちゃんだってそれが原因とは思ってるんでしょ?」

顔をあげてはるちゃんを見れば

はるちゃんは今にも泣きそうな顔をして。

「そうだよ…!でも、恋乃美が言ってくれるまで待つって決めたでしょ?」