「今日、部活終わった後、シュンタに会いに押しかけちゃってもいいかな。」

まるでマサキとお兄ちゃんて恋人みたい。

これが、お兄ちゃんじゃなくて私に会いに来るなんて言われたら?

一人勝手な想像をして、ドキドキしていた。

「多分大丈夫じゃないかな。お母さんにも言っておくわ。何時くらいになる?」

「ん-、18時半くらいかな。シュンタとは外でしゃべるし、おばちゃんにはお気遣いなくって言っておいて。」

「わかった。」

「じゃ。」

最後にマサキの顔を盗み見るようにチラッと視線を向けた。

結局、一度たりとも笑顔がなかった。

終始真面目な顔でしゃべるマサキはなんだか別人みたいだった。

本気でお兄ちゃんのこと心配してるんだろうな。

もし、私が落ち込んでたら、マドカはマサキみたいに会いに来てくれるんだろうか。

教室でしゃべってるマドカの方に顔を向けた。

マドカは私に気づいて、二カッと笑って手を振った。

なんだかんだ言って、絶対私の視線に気づいてくれるんだよね。

やっぱり大親友だ。

親友と恋人って、男女の違いはあるけれど、大事に思う気持ちって似てるような気がした。

お兄ちゃんのこと、心配でいてもたってもいられないマサキの姿に嫉妬する。

お兄ちゃんになりたいって、少しだけ思った。