「今日はありがとう。楽しかったわ。またうちにも遊びに来てね。」

玄関であゆみおばちゃんにペコリと頭を下げた。

「私こそ楽しかった。」

「今日はためになる話いっぱい聞けたからよかったよ。おばちゃんの言うようにもっと自分信じて進んでいくわ。将来のことは、もう少し後に考える。」

「そうね。それがいいわ。きっと自分で選んだ道が行くべき道なのよ。大丈夫。胸張っていきなさい。」

おばちゃんはそう言うと、私の肩をポンポンと2回叩いた。

これ、本当に元気でるのよね。

「またね。」

「ええ、また。」

エレベーターに乗り込むまで、おばちゃんは私に手を振ってくれていた。


あゆみおばちゃんと話すと本当に元気パワーいっぱいもらえる。

私にとって、なくてはならない存在だ。

こうやって会いたいときに会いにいける。

あゆみおばちゃんが独身でよかったって、今はつくづく思う。

おばちゃんにとっては、本当はどうなのかはわからないけれど。

ほんのりオレンジ色に染まった空を見上げた。

マサキは今頃どうしてるんだろ。

彼女さんとデートでもしてるんだろうか。

彼女さんには、私みたいな悪態はつかないんだろうね。

優しい言葉かけてるんだろうか。

でも、そんなマサキ想像すらできないや。

「思いきりぶつかって、思いきりふられろ」って??!

そんなこと、この先私ができるんだろうか。

例え振られても、それが終点だって思わなければいいのね。

次に繋がるステップだって。

でも、なかなか難しいことだわ。

電車の窓に映る、それでもまだ尚煮え切らない自分の顔を見ながらため息が出た。


そういえば・・・結局、母とおばちゃんがこないだ会って話してた内容聞きそびれたな。

でも、元気そうだったしきっと大丈夫よね。

特に今日も何も言ってなかったし。


その1週間後、

母からあゆみおばちゃんが病気の治療のため入院したと聞いた。