母からもらった+アルファーで花束を買う。

でも・・・

なんだか私からも何か渡したいって思った。

駅ナカのショッピングモールをプラプラ見て回った。

そんな高価なものは買えないけど、おばちゃんが喜んでくれるものないかな。

「いて。」

その時、頭に軽くコツンと当たるものがあった。

店内の天井からぶら下げられていたモール。

見上げると色んな種類のモールがあった。

鳥だったり、クルクル螺旋状のものだったり、飛行機だったり。

うわ、かわいい!思わず目に留まったモールがあった。

かわいい子犬が3匹連なってぴょこぴょこ揺れている。

あゆみおばちゃんが以前、「一人暮らしだから飼えないけど本当は犬が飼いたくてしょうがないの」って言ってたのを思い出した。

近づいて値段を見る。

うっ。少し予算オーバーだけど。

でも、絶対これがかわいいしいいと思う!

私は腹をくくって店員さんを呼んだ。

かわいい花柄の包装紙でラッピングしてもらう。

年齢にそぐわないけど、ピンクのラブリーなリボンをつけて。

喜んでくれるといいな。

私は花束と私からのプレゼントを抱えて電車に乗った。

誰かのために何かを買うって、こんなにも気分のいいことだったんだ。

おこづかいで何か買うっていったら、いつも自分のためばっかだったもんね。

たまにはいいものね。

胸がほくほく温かい。

電車を降りて、急ぎ足であゆみおばちゃんの住むマンション目指した。