さっきのマサキと兄と口論が夢でありますように。

何かの間違いでありますように。

兄の背中にしがみつきながら、ずっと祈っていた。

押さえきれない気持ちが制御不能になってしまう、こんな情けない兄と私だけど、マサキは許してくれるのかな。

ずっと近くにいさせてほしい。ただそれだけ。


家に着くと、母が飛んで出てきて、今にも泣きそうな顔で兄を抱きしめた。