そんなとき、冬希は毎日病室に来て励ましてくれた。
「恋雪は死んだりしないよ。大丈夫だから。」
なんの根拠もないけど、その声を聞くとなぜか安心した。


私が泣き出すこともあったっけな。
困らせてるはずなのに、ずっと傍にいてくれる。
私にとって本当にかけがえのない存在。




「おーい、恋雪。聞こえてる？」


『⋅⋅⋅⋅⋅⋅』



「おーい！こーゆーきー!」


ふと、意識を取り戻す。
眉を潜めた顔がこちらを覗きこんでいる。

「おい、本当に平気なの？ぼーっとしてたけど？」

『あ、ゴメン。考えごとしてた。』

「ふーん。何考えてたわけ？」

『え、いや、それは秘密かな。』

「何だよ、それ。」

そうやって小馬鹿にしたように笑う。